「総表現社会において表現できないもの - END_OF_SCAN」、あるいは過去のエントリーで何度か書いた、文章とWebの関係について。 僕はノートの真ん中に1本の線を引き、左側にその間に得たものを書き出し、右側に失ったものを書いた。失ったもの、踏みにじったもの、とっくに見捨ててしまったもの、犠牲にしたもの、裏切ったもの……僕はそれらを最後まで書き通すことはできなかった。 僕たちが認識しようと努めるものと、実際に認識するものとの間には深い淵が横たわっている。どんなに長いものさしをもってしてもその深さを測りきることはできない。僕がここに書きしめすことができるのは、ただのリストだ。小説でも文学でもなければ、芸術でもない。まん中に線が1本だけ引かれた一冊のただのノートだ。 村上春樹「風の歌を聴け」 Webでは、リストがリストのまま放置されることはない。ソーシャルブックマークやRSSなどのWeb2