また性懲りもなく母が送ってきた見合い写真を見てみたら、パイプ椅子の写真だった。35歳の行かず後家だからってパイプ椅子はねぇだろ。どういうつもりなのかと思って見合いをしてやった。 パイプ椅子の両隣に座っていた初老の男女は、自分たちはパイプ椅子の両親だ、と言った。おいババア、貴様のマンコからパイプ椅子が生まれたっつぅのか、と問い質してやろうとしたらジジイが先手を打ってきた。 「私らには子供ができませんで……養子なんです。もちろんご存知とは思いますが、念のため」 そんな設定、知るか。 「ええと……ご趣味は……」 「うちのパイプ椅子は、たたまれたり、開かれたりするのが好きかしら」 「…………休日は何をなさいます?」 「そうですわねえ、座られることが多いですわね」 「さきほどからパイプ椅子さんは全くお話してくださいませんけれど、私のことがお嫌いなのでしょうか」 「いえ、いえ、お気を悪くされないで、シ