何年かぶりに風邪をひいた。 先週末、仕事を終えたあたりから、どうにも寒気がして身体がだるいような気がしていた。 寒いのは冬だから当然だし、身体がだるいのは新年会の酒やら寝不足のせいだろうと思っていたら、実は風邪だった。 風邪をひくのが本当に久しぶりすぎて、風邪だと気づくまでにしばらくかかった。 家に帰り、だるさを通り越して身体の節々がにぶく痛み出し、鼻水と咳が止まらなり、ようやく「あ、ヤバい。風邪だこれ」などと気づいたのだった。 あわてて風邪の対処法を思い出そうとする。 うがい。手洗い。 それは予防法だからおそらくもはや手遅れであろう、などとくらくらする頭で考えつつも、とりあえず口をゆすいで手を洗ってみる。 水が冷たい。 死ぬほど冷たい。 手のひらで感じた寒気が身体の奥深くに届き、俺は全身を震わせる。 普段ならすぐにおさまるはずのちょっとした寒気が、ずっとおさまらない。 震えで歯が鳴るほど