新宿駅における一日の利用者数は三百四十万人以上らしいです。 ものすごい数です。 これはギネスブックにも載っている記録とのこと。 俺は毎日、通勤がてらその世界一の人混みっぷりを堪能しているわけですが、さすがにこれだけ人が集まる場所なだけあって、色んな人を見かけます。 新年が始まってけっこう経ちますがあまり書くこともないので、三人ばかり印象深かった人たちのことを書きたいと思います。 一人目は敦盛親父です。 本名はわからないので、これは俺が勝手につけたニックネームです。どういう人かというと、駅のホームやら電車の中でひたすら敦盛を舞っている男性です。 スーツ姿でかなり頭髪が薄い、おそらく定年間近と思われる年配の方ですが、その舞いにはただならぬキレがあります。 初めて彼を見かけたとき、俺は思わず声をかけてしまいました。 かけずにはいられませんでした。 「人生、五十年ですか」 明らかに五十歳を超えてい