いよいよ年の瀬。皆様にとって今年はどんな1年でしたでしょうか? 来年はオリパラもあり、大変にぎやかな年になりそうです。講談社現代新書も、変わらず「おもしろくて、ためになる」新書作りに邁進して参ります。 2019年最後の記事は『江戸の災害』を上梓されたフレデリック・クレインス氏による「江戸と消火ポンプ」についての解説です。消火ポンプは17世紀にオランダで開発され、江戸幕府に持ち込まれました。しかし、幕府はこれを拒みます。その理由とは? さあ、年末年始は火の用心! 私が日本で経験した火事 2017年冬のある日曜日の早朝、私は自転車で出かけた。自宅は京都の路地街にある。大きな通りに出るまではいくつかの狭い小道を通り抜けなければならない。進むにつれて、次第に濃い煙りに囲まれるようになり、目の前がまったく見えなくなった。 「これは霧ではない。火事かもしれない」。そう考えて、来た道を折り返した。しばら
![なぜ江戸幕府はオランダの高性能な消火ポンプを導入しなかったのか?(フレデリック・クレインス)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6569edbba84d0caae4eb83742486839352d43b3a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fd%2F1200m%2Fimg_fddd0564791439b115b661489ce53646149719.jpg)