ブックマーク / uma-furi.com (4)

  • 日本で一番速い君へ。光すらも置き去りにしたカルストンライトオ

    サラブレッドは、生き物の極致の如きスピードで私たちの目の前を駆け抜ける。 愛らしい瞳を持ち、時に無防備な、時に哲学的とも思える振る舞いを見せる彼ら彼女らが、命を燃やし、闘志をむき出しにしてスピードを競う姿は、私の心を捉えて離さない。 レースを俯瞰するだけならテレビ画面が一番わかりやすい。それでも私が競馬場に足を運ぶのは、蹄音を響かせて、あっという間に目の前を駆け抜ける彼らの「疾風」をその目で、その耳で、その肌で感じたいからだ。 アスリートたる彼らの中でも短距離を生業とする馬たちは格別だ。 彼ら彼女らは頑健さを極めた屈強なダート馬とも、研ぎ澄まされた身体能力をクレバーに発揮するスレンダーな中長距離馬とも異なる。 小細工無用。後肢が生み出す巨大なトルクを前肢で捉え、ターフを蹴り、推力に変換しパワーを乗せていく。スピードに最適化し、走ることに特化した筋肉の芸術品に私はいつも見惚れてしまう。 サク

    日本で一番速い君へ。光すらも置き去りにしたカルストンライトオ
  • その馬、凶暴につき - "噛みつき癖"を持つシンコウウインディが制した、GⅠ昇格第1回目のフェブラリーステークスを振り返る。

    始まりは、いつもワクワクする。 イベント、スポーツからTVドラマに至るまで、「第1回目」というものは盛り上がるものだ。 ティザーサイトの開設やティザームービーなどの事前プロモーションや、カウントダウンイベントがあれば、期待は更に膨らむ。 2007年第1回目の「東京マラソン2007」が開催された時、たまたま友人が出場したので応援のため沿道を駆け回った。前もってプロモーション効果で気持ちが高まっていたものの、沿道の盛り上がりは想像以上だった。友人の通過を見るだけでなく、次々と通過するコスプレ選手や見たことのあるユニフォームの選手を見送るだけでも沸き立ったのを覚えている。東京マラソンはその後も盛況で、コロナ禍で一般参加の部が中止されたり、延期による欠番大会(2022年)があったりしたものの、東京に経済波及効果をもたらす春のスポーツイベントとして定着しているように思う。 沿道で東京マラソンを見たの

    その馬、凶暴につき - "噛みつき癖"を持つシンコウウインディが制した、GⅠ昇格第1回目のフェブラリーステークスを振り返る。
  • うららかなな日差しの下で…。アドマイヤジャパンのための物語。

    広い青空とうららかな日差しの下、一頭の栗毛馬が気持ちよさそうにクッションに顔を埋めている。穏やかで幸福に満ちた時間。アスリート然とした競走馬の姿とは一転、打算のない表情と溢れ出る愛嬌に嘘はない。 ”ウマをダメにするクッション”の魅力を最大限引き出した彼はYogiboと契約を結び、彼の姿はテレビCMと4200万回以上された動画を通じて、競馬に関心を持たないお茶の間にまで広く知れ渡った。 彼の名はアドマイヤジャパン。 かつては英雄・ディープインパクトに肉薄したライバルの一頭として、そして名牝ビワハイジの仔や稀代の才媛・ブエナビスタの兄として、その名は度々フォーカスされた。 だが「ディープのライバル」も「ブエナビスタの兄」も、一時代を築いた名馬を彩る”脇役”としての肩書であり、彼自身のものではないようにも感じられた。 引退から十数年の時を経て、思わぬ形で脚光を浴びたアドマイヤジャパン。かつて冷た

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  • 「1人と1頭」のヒシアマゾン〜ウマ娘から競馬にハマった私と、彼女の訃報〜

    褐色で紺髪ロングの美少女──私がヒシアマゾンを初めて見た時の印象です。 こんなにかわいい女の子は今まで見たことない! ずっとこの子を応援したい! と、その時心に誓いました。 往年の競馬ファンには何を言っているんだと思われるかもしれませんが、私は「1人と1頭」のヒシアマゾンが大好きです。 今回は1頭の競走馬、1人のウマ娘、1人の競馬オタクについてご紹介させてください。 ウマ娘のヒシアマゾンと私の出会い 元々の私の競馬ライフは、平凡なものでした。 ただただ競馬場に行き、写真を撮ったり馬券を買ったり……といった感じです。 特に競馬を始めてすぐの頃は私にとって競馬はただのギャンブルでしかありませんでした。 競走馬に対しても、馬券が当たるか当たらないかを決める……まるでサイコロを見るような感覚で捉えていたと思います。 そのような感覚を変えてくれて、さらには私の人生を豊かにしてくれたのが、ウマ娘「ヒシ

    「1人と1頭」のヒシアマゾン〜ウマ娘から競馬にハマった私と、彼女の訃報〜
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