マンション階下の住民が吸ったたばこで健康被害を受けた―。大阪府内の男性が階下の住人に損害賠償を求める訴えを起こし、大阪高裁が2月、控訴審判決を出した。飲食店や公共施設内での喫煙が原則禁止される中、自宅のベランダ喫煙は〝グレーゾーン〟として残る。過去には同様の事案で賠償命令が出たこともあり、「ホタル族」に潜む訴訟リスクが改めて浮き彫りとなった。 【表でみる】減少する紙巻きたばこの販売本数と成人男性の喫煙率 ■抗議で終わらず… 「迷惑行為をやめろ」 「なぜベランダで喫煙してはいけないのか」 大阪府内のマンションで令和元年、60代男性(原告)と真下に住む70代男性(被告)が口論となった。 訴訟資料によると、被告はその4年前に自宅をリフォーム。「部屋を汚したくない」とベランダで喫煙するようになり、抗議を受けるまで1日20本弱のたばこを吸っていた。 原告は翌年にも被告に抗議した上、一昨年春には、約6