「この苦境から抜け出すためには、“とげのある枝”でもつかむしかない」 西アフリカ・ブルキナファソの外相は「今後、ロシアとの関係を深めるのか」というわれわれの問いに対し、こう答えた。 ウクライナ軍の反転攻勢を受け「焦りを募らせている」ともみられるロシア。 しかし今、その影響力がアフリカで着実に広がっている。いったい何が起きているのか。現地を取材した。 (ヨハネスブルク支局長 別府正一郎、国際部記者 田村佑輔) ロシアに急接近するマリ 2022年3月、国連でのロシア非難決議を「棄権」した国の1つ、西アフリカのマリ。かつてフランスの植民地で、独立後も強いつながりを保ってきたが、その関係が崩れロシアに急接近しているという。 それを示す現象は、現地に入るとすぐに、かいま見えてきた。 道路脇でロシアの国旗が売られている(マリの首都 バマコ) 首都バマコの大通りには多くの兵士や警察官が警備にあたり、自由