ヤングケアラーという言葉に出合い、自分自身が何者かを知りました――。15歳のときから難病を患う母の身の回りの世話を担い、介護のため大学進学を一度は諦めた。就職活動でもケアに費やさざるを得なかった事情が理解されず、ようやく勤めた会社も介護離職した。「何で自分だけ」と落ち込んだ時期もあるが、言葉を知って同じ境遇の仲間たちとつながった。そんな経験を持つ男性はいま、当事者たちのオンラインコミュニティーを運営し、かつての自分のような人たちの力になろうと前を向いている。 【図解】ヤングケアラーとは? 類型や全国調査の結果 「母が他界しました」 新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で東京オリンピックが開かれていた2021年8月4日、こんなツイートが投稿された。 書いたのは、ヤングケアラーの支援を検討する政府のプロジェクトチーム(PT)のヒアリングに招かれたり、メディアに出演したりして、当事者だった自身の経