サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で得点王になったフランス代表のエムバペは、パリ郊外の移民街で育った。父はカメルーン出身で少年サッカーの監督だった。 【写真】来日した際には柔道を体験した道着姿のエムバペ 母はアルジェリア移民2世で元ハンドボール選手。息子は8歳の時にはサッカーの神童として有名だったが、本当は名門ビジネススクールに入れたかったという。「黒人とアラブ系の子供だから苦労する」と思い、学歴をつけさせたかったのだと仏紙で話した。 エムバペは仏1部リーグ、パリ・サンジェルマン所属の国民的スター。外国への移籍話が出ると、大統領が電話で「行かないで」と頼むほどだが、いまも人種差別に直面する。試合でPKをはずし、客席から「猿野郎」と罵声を浴びたこともある。そんな時、彼は黙っていない。「僕を猿扱いする人のために試合はしない」と抗議した。SNSで極右が黒人をおとしめたとき、「僕のフラン