2011年3月に起きた福島第一原発の事故で汚染水が漏れ出した福島の海。原発でトラブルが起きる度に不安が渦巻き、福島の魚介類などには猛烈な風評被害が起きた。汚染水を安全なレベルに浄化した“処理水”の海への放出が始まったのがちょうど1年前。風評被害の再燃が懸念されている上に、この状況が30年以上は続くとされる。しかし、そんな海で脈を打つように生きる若手漁師たちがいる。昨年度、福島県の沿岸漁業に新たに就業した人は、統計開始以来、最多となる26人。県外からやってきた新人漁師は、処理水放出への不安を抱えながらも、「将来は福島の海で船を持って立派な漁師になりたい」と夢を追いかけている。 【動画】処理水放出…不安の声とどう向き合うか #福島へのエール 7月中旬の午前7時過ぎ、福島県相馬市の松川浦漁港に、夜中から漁に出ていた漁船が次々と戻ってきた。福島県沖は親潮と黒潮がぶつかる全国有数の漁場「潮目の海」と