演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした女性を排除した警察の対応は、表現の自由の侵害にあたる-。札幌高裁が出したこんな判決が8月、最高裁で確定した。判決を巡っては、選挙で他候補の演説を妨害したとして起訴された政治団体の候補者らが、自らの行為を正当化するのに援用してきたが、専門家は「判決への誤解に基づくものだ」と指摘する。 【写真】「女性の全裸選挙ポスター」をはがす候補者(一部画像処理をしています) ■「同じだ」主張 「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」 今年4月の衆院東京15区補選で他候補の演説を妨害したとして公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕された政治団体「つばさの党」の根本良輔被告(30)=同法違反罪で起訴=は、逮捕前に自身のX(旧ツイッター)にこんな投稿をしていた。 根本被告が引