子どもの引き渡しを求め、家裁に調停や審判を申し立てるケースが増加傾向にある。最高裁の調べでは、この10年で3割増えた。父母の申立件数が逆転し、父親が母親を上回る状況が続いている。専門家は「父親が外で仕事をし、母親が育児をするという家族の形が変わってきたことが背景にある」と指摘する。 【図解】子の引き渡しをめぐる手続きの主な流れ 日本では、結婚中は父母の共同親権、離婚後は一方の単独親権とされてきた。子の引き渡しは、離婚前の別居中に折り合わない場合や、離婚後に親権者ではない親が子を連れ去った場合などに家裁へ調停や審判を申し立てることができる。一般的にはまず調停に申し立て、まとまらなければ審判の手続きに進む。 司法統計によれば、子の引き渡しを求める調停と審判の申立件数は、2022年で計3592件。12年の計2710件から3割増え、増加傾向が続く。調停の申し立ては微増だが、審判は12年から4割増え