「たとえ香港という街が死んでしまうとしても、どんな風に死ぬのか市民は知るべきだ」 「何より怖いのは沈黙に慣れていくこと」 言いたいことが言えなくなり、罪に問われるかもしれない。 言論の自由が失われるというのはどういうことなのか。 究極の選択を迫られた記者たちの姿を追った。 (香港支局長 若槻真知) 「新聞がなくなる」衝撃 「わたしの人生もここで止まってしまったようです」。 人けのない、かつての勤務先を見て蔡元貴さん(52歳)はそうつぶやいた。 蔡さんは中国に批判的な論調で知られる「リンゴ日報」の記者だった。 他のメディアで経験を積み1999年に入社。それ以来、主に地元の社会問題などを取材してきた。自ら志願してイラクの戦地を取材したこともある。 思いついたことは何でもやってみようと後押しする、そんなリンゴ日報が好きだった。 蔡元貴さん 「記者になりたてのころ別のメディアで働いていて、上司に言
ウクライナ侵攻を続けるロシアに対して、世界中から批判の声が高まっている。そんななか、中国メディアやソーシャルメディア(SNS)運営各社は、ロシア非難に対する封じ込めに動いている。利用者数が10億人を超える中国国内のインターネット上では、ロシアに不利とされる情報がなかなか見つからない状態だ。 【動画】気軽な様子でロシア兵にインタビューする中国メディア 米政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)によると、米ニューヨークのフォーダム大学ロースクールの外交問題評議会で対中問題を研究するカール・ミンズナー教授はこのほど、「ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻前の2月4日に中国の習近平国家主席と北京で会談し、『両国の友情に限界はない。協力上、禁じられた分野もない』と謳った共同声明に署名して以降、中国の外交政策は親ロシア的立場を貫いている」と指摘した。 2月22日に中国紙「新京報」の傘下国際向
【香港時事】中国共産党政権への批判的姿勢で知られる香港紙、蘋果日報(リンゴ日報)は24日、同日付の朝刊を最後に発行を停止した。 【写真】香港の新聞スタンドで売り出された最後の蘋果日報 1面トップには、同紙を支え続けた香港市民から届いた「リンゴを支持する」との言葉を大きく掲載した。幹部逮捕や資産凍結といった当局の度重なる圧力を受け、同紙は廃刊に追い込まれた。 蘋果日報は1995年創刊。香港主要紙の中では唯一、明確に民主派支持を掲げ、習近平政権との対決姿勢を鮮明にしてきた。同紙の廃刊で、香港の言論の自由は大きく後退する。 24日付1面には23日夜、雨の中を同紙のオフィスビル前に集まり、最後の編集作業を応援する香港市民の写真を載せた。最後となる朝刊は通常の10倍以上に当たる100万部を発行した。 また、23日に同紙主筆が国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕された事件を大きく報じたほか、「香港人
香港紙、蘋果(ひんか)日報の電子版によると、香港の民主活動家で、デモ扇動の罪などで禁錮10月の判決を受けた周庭(アグネス・チョウ)氏(24)が31日までに、重大事件の囚人が収容される大欖(たいらん)女子懲教所(刑務所)に移送されたという。 報道によると、本来は殺人や麻薬密売などの重罪を犯した「甲級犯」を収容する刑務所で、周氏には不相応との声が関係者の間で上がっている。同刑務所では独房に収容され、移動の際は常時、2人の係官が配置されるという。 関係者によると、11月23日から収監されている周氏には最初は12人部屋、その後、新型コロナウイルスの感染防止対策として、2人部屋が割り当てられていた。 12月25日、移送前の拘置施設に面会に行った知人によると、周氏は寒さのため服を7枚重ね着していた。昼間は所内の工場で受刑者らの衣服を洗濯、自由な時間には東野圭吾氏の本などを読んでいるといい、最近始めた韓
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