親ロシアの中国だが、実はロシアのウクライナ侵攻で食糧事情に深刻な影響を受けた国のひとつだ。ウクライナからの穀物供給が危ぶまれるなか、中国は再び高い食料自給率を取り戻そうと躍起になっている。 【画像】中国で、まさか「長江」が干上がった…! 前編記事『習近平の肝いりで始まった「食糧安全保障政策」に、14億人の国民が抱く「一抹の不安」』で紹介したとおり、その一つが習近平の肝いりとみられる「退林還耕」政策だ。これは、1990年代に始まった「退耕還林」政策を逆行させるという意味である。 退耕還林は1990年代末に始まった森林保護政策で、痩せた土地での耕作をやめて植林を進めることにより、洪水や土壌浸食などの環境問題の解決を目的としていた。 1996年11月にローマで開かれた世界食糧サミットで李鵬首相(当時)は「中国は95%の食糧自給率を維持する」と宣言し、中国はその後、毎年のように食料を増産し、その約