年の初めに考えてみる。「本」ってなに。「本」は何をもって「本」たりうるのか。 紙の「本」しかないころ、その定義は簡単だった。「紙の上に文字か画像を印字し、複数枚重ねて綴じた物」。複数枚といってもあまり枚数の少ない物は、パンフレットと呼ばれて本とは区別される。本というには最低でも背表紙がつくくらいの厚みは必要だろう。 なぜ紙が綴じてあるかといえば、もともとは取り纏めて、取り扱うのに便利だからという物理的な理由だっただろうが、それは、ひとまとまりの情報に束ねるという効果をもたらした。本にするとはさまざまな情報の中から、取捨選択してひとつの意味のあるまとまりとなるということなのだ。 学術書はまさにそうだし、小説であれば、発端があり、話が展開し、急な事件がおこり、大団円を迎えるというような一連の流れが一冊の「本」というかたちにまとめられることで、一体としての感動を呼ぶ。このまとまりこそが「本」が「
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