2012年08月23日11:30 「新婚さんいらっしゃい」をノベライズする ツイート NOVELIZE OR DIE 第十二回 その夜、アリゾナ州に住むトンプソン氏は、知人のホームパーティーから帰路につく途中、フロントガラスの向こうに謎の発光体を認めた。 道は広大な乾燥地帯を真っ直ぐに伸びる一本道で、周囲に明かりはない。雲の掛かった夜空にはいくつかの星も見えるが、その光は明らかに星の瞬きとは違い、左右に震えながらこちらに向かって来るように見える。 トンプソン氏は思わず助手席で眠っていた妻を揺り起こし、発光体を指差した。 「見ろ!キャシー、UFOだ!」 目を覚ましたキャシー夫人が寝惚け眼を向けたとき、光はすでに目前に迫っていた。 キャッシー夫人が悲鳴を上げた。トンプソン氏が目を見開いた。 まばゆい光はフロントガラスいっぱいに広がり、視界が白く包まれた。 ふたりは意識を失った。