6月に開催された株主総会の特徴は、株主提案が前年より45件多い212件になったことだ。株主提案を受けた企業数も3社多い40社と過去最多になった(三菱UFJ信託銀行調べ)。注目されたのは、物言う株主による株主提案だった。村上世彰氏が率いた投資ファンド・旧村上ファンドの流れを汲む、物言う株主が存在感を高めた。 村上氏の長女・野村殉氏とレノの連合が黒田電気に勝利 電子部品商社、黒田電気の株主総会が6月29日に開催され、旧村上ファンド系の投資会社レノが提出した社外取締役を選任する提案が賛成多数で可決された。物言う株主の提案が可決されたのは、2009年にアデランスホールディングス(現アデランス)の総会で米スティール・パートナーズが推す取締役選任案が可決されて以来、8年ぶりとなる。 黒田電気が総会後に開示した臨時報告書によると、レノの株主提案の賛成率は58.64%だった。村上氏の長女で投資家の野村殉氏