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2023年1月11日のブックマーク (1件)

  • 活字中毒R。

    『半島へ、ふたたび』(蓮池薫著・新潮社)より。 【ところで、ちょっとわき道に逸れるが、通訳の現場におけるアドリブ(話者の発言に通訳者人が説明を付け加えること)は、許されている。外国人同士の話し合いでは、国や民族間の習慣、風習、伝統の違いから誤解が生じることがあり、話者の言葉をそのまま置き換えるだけでは、とうてい円滑な意思疎通がなされないからだ。 ロシア語通訳の第一人者だった故・米原万里氏の著書『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』に興味深いエピソードが書かれている。あるとき、リビアの最高指導者カダフィ大佐がモスクワを訪れ、記者会見を開くことになった。またとない機会ということで会見場には内外の報道陣が殺到したという。親衛隊の厳重な護衛の中、壇上に現れた大佐は、傍らにいる通訳官になにやら一、二分ぼそぼそと囁いた。すると、通訳官はなんと二十分あまりにわたってそれを”通訳”したそうだ。会場から質問