突っ込みどころ満載でパロディになってしまった『ニーベルングの指輪』の後で、馬鹿正直に『指輪物語』を書くのもかなり恥ずかしいことだとは思うが(それを映画に起こすのはもっと恥ずかしいが、『キング・コング』の予算を捻出するためというなら許さんこともない)、《とんでもを追い掛けて行って恐ろしい真実を発見する》物を徹底的に虚仮にした『フーコーの振り子』の後で『ダ・ヴィンチ・コード』を書くのもいい線みっともない話だ。誰かエーコ先生に批評を書かせてないのか。あまりの馬鹿ばかしさに虚脱しちゃって書けないか。 で、単なるとんでも追求小説で受けている間はまあよかった訳だが(古いネタだよな、とは思ったが)、ダ・ヴィンチ・コードの展覧会だの、ダ・ヴィンチ・コードの特集番組だのが大々的にやられて、とんでもどころか、見た奴がみんな真に受けているとなると、うんざりを通り越してげっそりである。某朝日新聞が連日コラムでカト