ウクライナ軍、善戦の理由〜陸軍的な視点から分析する 企業経営にも通じる思考法 山下裕貴 元陸将、千葉科学大学客員教授 2月24日、ロシアがウクライナの飛行場や重要施設などにミサイル攻撃を行い、軍事侵攻を開始した。ロシアは昨年の11月頃からウクライナ国境近くに軍を集結させ、今年に入り兵力は約19万人に達し侵攻の可能性は日増しに高まっていた。しかしながら多くの人々は「まさか本当にロシア軍がウクライナに侵攻するとは」と考えていたのではないだろうか。 クリミア併合時とは違う戦い方 ロシア軍によるウクライナ軍事侵攻をめぐり米国国防総省高官は、ウクライナ軍の激しい抵抗にあい、首都キエフへの侵攻がロシア軍の想定よりも遅れているとの認識を示したとマスコミが伝えている。まだ戦争が開始されたばかりでこの認識が正しいのかロシア軍の計画のとおりなのかは分からない。しかし各国のマスコミ報道やSNSなどを総合すると、