地下鉄で優先席3人がけの中央が空いてた 目を向けると、端の席に座っていた女性とちょっと目があった 彼女は私に気づき、座り直してスカートの裾をたたみ直した 女性が隣の席に人が来る時の、よくあるふるまいだ 私はその優先席の空いた中央席に座った 座って一息つく ふと、隣の席の女性が話している ずっと話している まるで電話で誰かと話すかのように けど地下鉄だ 独り言にしては抑揚がありはっきりしている ずっと話している 隣りにいるのは私だが、私に話しかけているはずもない はじめに目があった時の、ごく普通の常識的なふるまい に対しての今のよく分からない状況 なにか得体のしれない恐怖を感じた 怖くなって、大勢が乗り降りするターミナル駅で席を移った 電車でちょっと変わった人を見ることは都会だとたまにある 以前遭遇して怖かったのは、ひたすら頭を後ろの窓に打ち付けていた男性 あの時もかなり怖かった けど、スト