酵母の染色体は通常は16本だが、わずか1本あるいは2本の染色体しか持たない新しい酵母株が作られたことを報告する2編の論文が、今週掲載される。 真核生物のゲノムは、染色体で分割されるが、その数は種によって異なる。例えば、ヒトの染色体は23対、類人猿は24対であるのに対し、雄のトビキバハリアリは1対しか持っていない。こうした種差の原因は、偶発的なテロメア融合やゲノム重複事象である可能性が非常に高いのだが、染色体が複数あることの利点、そして染色体の総数の変化に対する生物種の耐性については解明されていない。 これら2編の論文の著者は、CRISPR-Cas9技術を用いて、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のゲノムを編集して新しい酵母株を作製し、その都度、染色体の数を徐々に減らしていった。Zhongjun Qinたちの研究グループは、全ての遺伝情報が1本の染色体に統合された新