糸の量の多い大きな繭や黄色い繭、細い糸のとれる繭を作るもの、病気に強いものなど、さまざまな特徴を持つカイコがいます。養蚕農家で飼育されるカイコのほかに、研究所や大学に保存されているものを含めると、現在の日本には約1,900種類のカイコがいます。農研機構では、そのうち約600種類を遺伝資源として保存しています。 ではカイコはどのように育ち、シルクの原料となる繭を生み出すのでしょうか? 図のとおり、卵からかえったカイコの幼虫は、4回の脱皮を行います。幼虫の期間は桑の葉をよく食べ、25日ほどで体重は1万倍にも成長。5齢にまで成長したカイコは糸(繭糸(けんし))を吐き、自らを包む繭を作り、その中でさなぎになります。この繭が出荷、乾燥されて、生糸に加工されるのです。 繁殖用のカイコは繭を乾燥させずにそのまま保管され、2週間ほどで羽化。まもなく交尾し、500個ほどの卵を産みます。成虫は食べたりせず、ほ