作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:4 生まれ変わっても、この家族がええ2008年4月29日 印刷 ソーシャルブックマーク 「何かになろうとか考えたことなんてあらへん」と未映子(31)はいう。 絵が好きで、大阪市立工芸高校デザイン科へ進んだ。友だちが美大を目指す中、未映子は進学をあきらめていた。 弟の利明(30)がラグビーの名門、大工大高校に推薦入学。明治大へ進む話もある。家族で話し合い「弟を支えよう」という結論に達した。 「うちから2人を大学に入れるのは無理。美大に行きたいとわかっていたけど、聞くこともできませんでした」 高校卒業後、昼間は本屋でアルバイトをしながらバンド活動、夜は北新地の高級クラブでホステスをし、売れっ子になった。稼ぎは、弟への仕送りと自分の通信制大学(哲学科)の学費に消えた。 弟が大学を卒業した年、偶然、ビクターから歌手デビューの話が舞い込んだ。 「東京に行く」