日本交通の御曹司として生まれ、3代目社長を継いだ著者が、いちどは1,900億円の負債を抱えるまでに至り、自分の始めた新規事業も失敗して挫折、しかしそこから這い上がって会社を再建… …という部分は数行で済ませて、その後の話を語るのが本書。突然、1か月間、実際に見習い運転手としてタクシーに乗って営業するという体験談だ。 ただし、最大の問題は、著者が道を知らないということ。なにしろ、渋谷から池袋まで明治通りが通っていることも知らなかったぐらい(笑)。それでも、お客さんに聞きながらこなしていく、そんな様子が、読み物として面白かった。 以下、本書で仕入れたタクシー(日本交通)関連のトリビア。タクシーにあまり乗る機会がないので、有名な話だったらすみません。 ほかのタクシーを追い抜いて客を拾うのは昔は暗黙のルールでご法度だったが、規制緩和で台数が急増した結果、うやむやになっている 隔勤:朝8時から深夜2