爪、歯、骨など身体部位への需要が高まり、ライオンが直面する危機は増大し続けている。(PHOTOGRAPH BY JAK WONDERLY) 7月16日、南アフリカ共和国は、輸出できるライオンの骨の数をほぼ倍増させ、年間枠を800頭から1500頭に拡大すると発表した。 すでにアフリカ全域で個体数が減少しているライオンが、新たな脅威に直面している。骨、歯、爪など、ライオンの体の部位に対する需要が高まっているのだ。こうした体の部位は、主に東南アジアで、伝統薬や装身具に使うために盛んに買い求められている。 ライオンの密猟は違法であり、身体部位の国際取引も大部分が禁止されている。しかし南アフリカ共和国では、ライオンを繁殖・飼育する施設で出た骨の輸出は合法だ。この事業については、飼育施設の劣悪さが指摘されているほか、いわゆる「キャンド・ハント」(囲いの中の狩り)を提供していることも問題視されている。客