米国人ジャーナリストキム・ゼッターのCountdown to Zero Dayという本は力作である。2000年代後半にイランのウラン濃縮施設がStuxnet(スタックスネット)と呼ばれるコンピュータウイルスによって攻撃された事件について、圧倒的な情報量でその実態を暴いていく。 Kim Zetter, “Countdown to Zero Day: Stuxnet and the Launch of the World's First Digital Weapon",Crown,2014. 私は、「A国が関与するサイバー攻撃が発覚」などという報道があれば必ずA国の知人に「ほんとにやったの?」と聞くことにしている。そういう馬鹿な質問にたいしては記事の全体あるいは一部がでたらめであることを強調する回答が返ってくるのがお決まりだ。 そんな中、本書については「よく調査して書かれた本だと思う(ため息)