アルゴリズム設計の技法は計算機科学の中心にある実践的な技術である.本書は学生とコンピュータ技術者がよいアルゴリズムを設計するためのマニュアルとなることを意図しているが技術系企業の採用面接の準備に役立つことからも人気を博している. 本書は技法とリソースの二部からなり前者はコンピュータアルゴリズムの設計と解析への一般的な入門であり後者は適宜拾い読みされ参照されることを意図したアルゴリズムのカタログと広範にわたる参考文献からなる. 第I部にあたる上巻ではハッシングランダム化アルゴリズム分割統治法近似アルゴリズム量子計算といった多岐にわたる話題を紹介する. 本書の目的は読者を正しい方向へとできるだけ敏速に導くことでありアルゴリズムの数学的な解析はあえて強調せずインフォーマルな議論にとどめている.さらなる詳細な議論が必要な際は適切なプログラムや参考文献を調べられるように示している.