2016年に東京都大田区の認可外保育施設「蒲田子供の家」(17年に閉所)で生後6カ月の女児が亡くなった事故について、大学教授らでつくる都の外部検証委員会が28日、報告書をまとめた。保育士資格を持つ職員がいないなどのずさんな保育体制や、都の指導不足などが背景にあったと指摘した。 報告書によると、事故当時、施設職員は全て保育士資格を持っておらず、入所児への指導計画も作っていなかった。睡眠時の様子を確認したり、授乳したりした時刻の記録もなく、施設責任者の記憶に基づいて保護者に伝えていたという。 一方、都は事故発生前からこうした点を把握し、改善指導を続けていたが、長期間改善されなかった。このため、報告書は、都による施設への日常的な指導や助言、保護者への施設情報の提供が不足していたことを課題として指摘した。 事故は16年3月16日の深夜に起き、保育中の女児が病院に搬送されたが、死亡した。事故当時、職
川崎市の有料老人ホームでの連続転落死が、朝日新聞の報道で発覚してから2年半。横浜地裁は22日、無罪を主張していた今井隼人被告(25)に死刑を言い渡した。 今井被告はスーツにネクタイ、刈り上げた髪形で法廷に現れ、真っすぐ前を見据え、硬い表情で裁判員らと向き合った。渡辺英敬裁判長は主文を後回しにし、判決理由から朗読。約2時間にわたり、被告は座って耳を傾けた。最後は裁判長に促されて立ち、「死刑」の主文が言い渡されると、裁判員らに一礼して退廷した。 被告は16年2月7日、神奈川県警による任意の事情聴取に「入所者から頼まれて殺した」と供述。同月15日になって「僕が殺そうと思って殺したのが事実です」と語ったことから、殺人容疑で逮捕された。横浜地検の取り調べで「公判で本当のことを話す」と黙秘を開始。裁判では、殺害を認める前に警察官から圧力があったと主張した。 渡辺裁判長は「自白の信用性をまつまでもなく、
川崎市幸区の有料老人ホームで2014年、入所者の男女3人が相次いで転落死した事件で、殺人罪に問われた元職員、今井隼人被告(25)の裁判員裁判の判決公判が22日、横浜地裁であり、渡辺英敬裁判長は検察側の求刑通りに死刑を言い渡した。弁護側は無罪を主張していた。 被告の起訴内容は、「Sアミーユ川崎幸町」に勤務していた14年11~12月、87歳の男性と、86歳、96歳の女性(年齢はいずれも当時)を施設のベランダから投げ落としたというもの。 防犯カメラの映像など犯行を裏付ける直接的な証拠がないなか、被告が16年2月の逮捕前後に「入所者が精神的に不安定で煩わしかった」などと犯行を認めた様子を撮影した録音・録画の内容の信用性が、最大の争点となっていた。 検察側は論告で、被害者はいずれも高齢でベランダの柵を自力で乗り越えることは難しかった▽すべての発生日に夜勤だったのは被告だけだった▽同僚に「犯行予告」を
北海道旭川市で車の衝突に巻き込まれて高校生が亡くなった事故を巡り、遺族が運転手らに損害賠償を求めた訴訟で、被告の女性が具体的な証言を拒む方針であることがわかった。被告の女性は事故の当事者で唯一の生存者で、遺族は「事故の真相を知りたい」と証言を願っていた。 事故は2014年6月、旭川市の国道12号交差点で直進車と右折車が衝突し、直進車に乗っていた2人と信号待ちをしていた旭川実業高校2年加藤健太郎さん(当時17)が死亡した。右折車を運転していた70代の女性は自動車運転死傷処罰法違反で旭川地検に送検されたが、嫌疑不十分で不起訴となった。 原告側によると、女性は警察や検察の捜査にほぼ黙秘し、事故後も遺族に直接の接触はないという。加藤さんの遺族は民事訴訟で女性から事故の状況を聞けると期待しており、旭川地裁も女性の尋問を採用した。しかし女性側は、黙秘権を保障した憲法の規定を根拠に最高裁に特別抗告。抗告
青森県東北町の町立中学1年の男子生徒(当時12)が一昨年8月に自殺した問題で、町いじめ問題再調査委員会は9日、報告書を蛯名鉱治町長に提出した。新たないじめを認定して自殺との因果関係を認めた上で、「学校の対応の不備が原因となった可能性を否定できない」とした。 男子生徒は2016年8月19日、「いじめがなければもっと生きていたのにね」などと書いた遺書を残して自宅で自殺した。町いじめ防止対策審議会が同年12月、いじめや本人の特性など「様々な背景が複合的に関与していた」とする報告書をまとめたが、「原因はいじめだけだ」とする遺族の要望で再調査をした。 今回の報告書は、男子生徒が後ろの席の同級生に何度もいすを蹴られていたことを新たにいじめと認定。これは学校側が同級生に、男子生徒が授業に集中していない時に「支援」をしてほしいと依頼した結果だったとした。男子生徒が学校側に「嫌だ」と訴えたのに、やめなかった
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