消費者庁は3日、有料老人ホーム「イリーゼ」を全国展開するHITOWAケアサービス(東京都港区)に対し、終身入居できない場合があるのに、パンフレットに明記しなかったのは景品表示法違反(有料老人ホームに関する不当表示)に当たるとして、再発防止を求める措置命令を出した。有料老人ホームに関する不当表示のうち、終身入居に関する行政処分は初めて。 違反と認定されたのは、2016年9月~今年6月、同社が運営する106施設で入居希望者らに配布されるパンフレットの表示。介護度が重くても終身ケアを受けられると書かれていたが、実際には認知症で他の入居者に危害を及ぼす場合などが契約解除の対象だった。同社は表記を変更し、再発防止策を検討している。
津市の障害者施設で、複数の職員が知的障害があるデイサービスの利用者に対し、暴言を浴びせるなどの虐待をしていた問題で、施設で2月まで働き、虐待行為を内部告発した元職員の女性が朝日新聞の取材に応じ、「虐待は1年以上前から日常的にあった」と証言した。 元職員によると、知的障害のある女性利用者に対して、複数の女性職員が「どこまで太るか試してみようよ」などと話し、必要以上にパンなどを食べさせたという。さらに、この女性と別の女性利用者を脱衣場で裸にさせ、「どっちの方が太っているやろ?」などと笑い合っていたという。 また、食事のマナーが悪かった罰として、女性利用者に、おかずの代わりに長ネギをそのまま用意するなどの行為があったという。 これらの証言について、NPOの島崎代表は「初めて聞いた話で、把握していない」と話している。 元職員は職場環境に耐えきれず退職。虐待の証拠を残そうと一部を動画で撮影し、津市に
特定危険指定暴力団「工藤会」の壊滅作戦が進む北九州市で2日、刑務所の出所者を受け入れて更生や社会復帰を支える自立準備ホーム「サポートハウス小倉」がオープンする。NPO法人が運営し、保護司で同市議の佐藤茂さん(60)が理事長を務める。同市では出所後の再就職に苦労する元組員が多く「離脱者が更生できなければ、本当の意味で安全・安心な街にならない」と準備を進めてきたという。 自立準備ホームは保護観察所に登録されたNPO法人などが運営し、出所者に食事や宿泊場所を提供し、自立を支援する施設。出所者の入所期間は最大6カ月で、その間に仕事と住まいを見つける。法務省によると4月1日現在、全国に395カ所ある。 佐藤さんは2003年に保護司となり、出所者の生活相談に応じてきた。元組員から「工藤会を離脱したけど仕事がない」と悩みを打ち明けられたこともある。14年9月に始まった福岡県警による工藤会壊滅作戦で多くの
津市の障害者施設で、複数の職員が知的障害があるデイサービスの利用者に対し、暴言を浴びせるなどの虐待をしていたことが施設を運営する団体への取材で分かった。三重県は複数回にわたって身体的・精神的虐待があったと判断し、障害者総合支援法に基づき、運営する団体に再発防止を求めた。施設は2日夜、利用者の家族らへの説明会を開き、問題の経緯などを説明し、謝罪したという。 施設は、津市のNPO法人「おもいやり介護の会つくしんぼ」が、津市一志町庄村で運営する「つくしんぼの家一志」。自閉症などの利用者がデイサービスに訪れており、県によると、今年2月までに複数の利用者に対し複数回の虐待が確認された。けがはなかった。団体側は虐待を受けた利用者は20代の男女で、虐待を行ったのは30代と40代の女性職員と明かした。 団体などによると、男性利用者に対しては「うそつき」「泥棒」などと繰り返し、暴言を吐いた。女性利用者に対し
焼津市で日本語が苦手な外国人の子どもたちの学習支援をしている市民団体「多文化共生を考える焼津市民の会・いちご」(谷沢勉代表)が、市内で暮らす外国人の子どもたちにアンケートを実施した。日本語の学習意欲を問う設問(複数の選択肢を回答可)では84・8%が「もっと日本語を学びたい」と回答した。【松岡大地】 一方で、「学校で嫌なことは?」(複数回答可)との質問には、65・2%が「勉強が難しい」とした。焼津市では水産加工工場などで働く外国人やその子どもが増えており、谷沢代表は「市全体で外国人の子どもの学習支援状況の調査につながってくれれば」としている。 アンケートは外国にルーツを持ち焼津市内で暮らす小中学生(6~15歳)を対象に5月7~28日に行い、49人から回答を得た。ルーツはフィリピンの73・5%が最多。全体の46・9%は7~12歳で来日し、日本生まれは22・4%だった。
保育士不足を理由に、今年4月時点で少なくとも全国24自治体の204の認可保育園で、受け入れる子どもの数を減らしていたことが朝日新聞の調査でわかった。保育施設の数は増えているが、自治体間の奪い合いや厳しい勤務実態から保育士の確保が追いつかず、待機児童が解消されない実情が浮かんだ。 昨年5月の朝日新聞の調査では、保育士が確保できず定員を減らすなどした園は15自治体の118園だった。調査自治体が一部異なるが、保育士不足が深刻化している傾向がうかがえる。 朝日新聞は今年5月、全20政令指定市と東京23区、昨年4月時点で待機児童が100人以上いた44市町村の計87自治体を対象に、昨年4月と比べて定員を削減したり、定員より少ない数で募集したりした園の数と、その理由を聞いた。札幌市、千葉市、横浜市、東京都葛飾区、高松市を除く82自治体から回答を得た。 保育士不足が原因で、昨年4月よりも受け入れ数を減らし
目黒虐待死受け、NPO法人代表ら10万2505人分を 東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が両親から虐待を受けて死亡した事件を受け、NPO法人代表らは2日、加藤勝信厚生労働相に対し、児童相談所(児相)と警察の間で虐待情報の全件共有の検討などを求める10万2505人分の署名を提出した。 提出したのは、子育ての問題解決に取り組む認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事ら。政府が月内にまとめる方針の児童虐待防止対策に、警察と児相の全件共有のほか、児相の人員増強や里親の支援など「児童虐待8策」を反映させるよう求めた。6月からネット上で署名活動を展開してきた。加藤氏は「すぐ動けるものと時間をかけて検証するものに分けて対応していきたい」と述べた。 児相に寄せられた情報をすべて警察と共有する全件共有は、愛知、高知、茨城県が実施している。厚労省は、児相や市町村が把握した虐待事案のうち、刑事事件と
2018年3月に東京都目黒区で発生した児童虐待事件。 わずか5歳の少女の壮絶な最後に涙を禁じえない。 子を持つ親でもある筆者としては、様々な感情が日々錯綜するが、その感情は一旦脇において、客観的なオープンデータによって日本における児童虐待の姿を俯瞰することとしたい。 本事件は、香川県と東京都という2つのエリアをまたいで虐待が継続され、被虐待児童が死に至ったケースとなっている。本稿では47都道府県の児童相談状況を比較して俯瞰することで、指摘できることがないかを検証してみたい。 まず、47都道府県において、それぞれどの程度の規模の児童相談が受付されているのかを見てみよう(図表1)。 図表からは各エリアで子どもに関する問題(障がい相談、養護相談など虐待事案に限らない)が一体、どれくらいの規模で発生しているのかを見ることが出来る。 最新オープンデータである2016年の児童相談受付件数は、全国計で4
兵庫県多可町で昨年5月、小学5年の女子児童=当時(10)=が自殺した問題で、町教委が設置した第三者委員会は2日、調査報告書を公表した。女児が同級生から蹴られたり、仲間外れにされたりするなどのいじめがあったと認定し、自殺の要因の一つがいじめだったと結論づけた。 「死を選ばざるをえなかった娘の苦しみを理解してもらえない」 校内アンケートで「仲間外れにされている」と別のクラスの児童から指摘がありながら、学校の対応が不十分だったとも指摘した。 女児は昨年5月1日、学校から帰宅した後に自殺を図り、翌2日に死亡した。遺族からの要望や教諭や同級生に対するアンケート内容からいじめが原因の疑いがあるとして、町教委が第三者委を設置し、調査していた。 一方、女児の遺族はコメントを発表し、「娘に対してなされたいじめの詳細が分からず、死を選ばざるをえなかった娘の苦しみを理解してもらえない」として再調査を求める意向を
全国の幼保施設を対象にした防災意識調査で、作製した避難経路図を保護者に周知していた施設は全体の約3割だった。調査に当たった静岡理工科大学の本多明生准教授は「平時から保護者や地域と情報を共有していくことが必要」と指摘している。【加古ななみ】 調査は2017年11月~18年2月に実施。無作為に選んだ全国の幼保施設4200カ所うち、972カ所(保育所573カ所、幼稚園236カ所、認定こども園163カ所)から回答を得た。 調査結果によると、94%が避難経路や避難場所の安全性を定期的に確認していて、87%が災害発生時の避難経路図を作製していた。避難訓練を実施している施設も89%あり、79%が物資を備蓄していると回答した。
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