大分県内の児童養護施設で働く看護師たちが、入所する子どもに医療ケアが行き届くよう、健康記録用紙の統一を進めている。虐待を受けるなどして保護された子は、病気や障害を伴っているケースが少なくない。だが、健康管理の方法は各施設に委ねられ、ケアに格差が生じている現状がある。識者は「看護師同士のノウハウが共有されることは、子どもの利益に直結する」と歓迎する。 看護師考案、情報共有へ 厚生労働省によると、児童養護施設の子の約6割は虐待を受けた経験があり、約3割に心身に障害があるという。大分県では2012年に各施設の看護師らが「連絡研修会」を結成。定期的に話し合う中で、子ども一人一人の健康記録を付けている施設とそうでない施設があり、服薬管理や通院指導など医療ケアで差があることが分かった。 そこで同会は、健康に必要な情報を整理できる共通用紙を考案。看護師以外の職員にも一目で分かるよう、予防接種歴、既往歴、