<研究の背景と経緯> カナブンは、一般的にはコウチョウ目コガネムシ科全般、特に全身に金属光沢を有するものの俗称です(図1)。この金属光沢は、光学波長程度(可視光の波長である400~800nm程度)の周期を持ったらせん構造のコレステリック液晶という場が作り出しています。すなわち、らせん周期構造のコレステリック液晶による光の選択反射に起因しています。生体を構成する、たんぱく質、キチン質、セルロースなどは、コレステリック液晶を形成する能力があり、カナブンはそれらを凝集固定した美しい液晶なのです。 カナブンに学んで、光学波長程度の周期を持つコレステリックらせん構造の液晶中に、発光色素を導入し、レーザー発光させると、その発光波長域に選択反射が重なっている場合は、光の閉じ込めとそれによる増幅が起こって反射帯のエッジでレーザー(分布帰還型レーザー注8))発振します。そして、3原色の液晶レーザーを用いたデ