もはや読書論の古典とまであがめたてまつられている「本を読む本」。 これを、なるべく楽しく読む方法をご紹介…というのも、手にしたかたならご存知だろうが、スーパー上から目線に辟易すること間違いないから。そして、もったいぶった言い回しで結局それかよ…とツッコミを入れるだろうから。 しかし、だからといって無用な本ではない。新入生から読み巧者まで、得るものは必ずあるはずで、説教臭さえ気にしないのであれば極めて意義深い一冊だとオススメできる。ここでは、本書にふれながら、わたしの「本を読みかた」について思うところを書く。誰かのヒントになればこれ幸い。 ■ 決まった読みかたなんて、ない 完成された本の読みかたなんて、存在しない。十人いれば十通り、百冊あれば百通りの読みかたがある。本書の著者アドラーをはじめ、識者(?)たちが「本はこう読め」と押し付けるたびに、ゲンナリしているし、その轍を踏まないよう注意して