6日に閉館する交通科学博物館(大阪市港区)は鉄道の展示が中心だが、飛行機や自動車の「お宝」も多い。収蔵品の多くが移る先は、2年後の春に開館する「京都鉄道博物館」。鉄道以外を展示するのは難しく、博物館を所有するJR西日本が貸出先を探している。 「あ、ヒコーキ!」。笑顔の女の子が、頭上を指さした。4人乗りの軽飛行機「KAL―1」。1953年、川崎航空機工業(現・川崎重工業)が戦後初めて開発した記念碑的な機体だ。66年に川崎が寄贈したが、博物館によると、今の川重には残っていないという。 特別展「52年の軌跡展」会場には、アメリカ「ベルX―1」のロケットエンジンがある。人類初の超音速飛行を達成した有人実験機だ。開館した62年に在日米軍から借用展示し、翌年そのまま寄贈されたという。現物はここと米スミソニアン博物館にしかなく、これだけを見に来る人も多い。