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ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (3)

  • 新しいから傷つける - 傘をひらいて、空を

    友だちの家のPCの動作がおかしいというので見にいった。だいぶ古くて起動に十分もかかる状態だったので、さしあたり彼女が必要としているDVDの再生ができるようにクリーンインストールすることにした。 彼女の仕事用の携帯電話が鳴り、彼女は私にことわって出た。はい、いつもお世話になっております。いえいえ、はい、なるほど、担当がそのようなことを申しましたか。 彼女は五分ほど電話で話しつづけた。ほとんどは相槌だった。いろいろな種類の、さまざまな重さの、一定以上の温度を保った相槌だ。彼女はそのあと、仕事にしてはいささか親しげに短く笑って、いいえ、いいんですよ、と言ってから電話を切った。 私はBIOSを確認し、それを覗いた彼女はなんだか怖そうな画面、とつぶやく。怖くないよ、これはWindowsの下に入っているソフトなんだよと私は説明する。 ディスクがかりかりと音をたてて書きこみをはじめる。私は彼女の出してく

    新しいから傷つける - 傘をひらいて、空を
    scrt8sh
    scrt8sh 2010/06/27
    ”新しいものはほとんど必ず人を傷つける” そうか、そうだよなー。覚えておきたい。人は自分を軽んじられる事が多分一番嫌いだから、クレーム対応の基本だって相手の感情を尊重することだよね…。
  • 作文が終わらない - 傘をひらいて、空を

    七つの女の子と話をしていたら、作文が終わらなくて困っているという。彼女は小さい子にしては要領よくしゃべるんだけれども、なにしろ七歳は七歳なので、話がくどい。しかもしょっちゅう脱線する。最後まで聞いて推測するに、どうやら何を書いて何を省くかがわからないので作文が長くなっている、ということらしかった。 学校の授業の作文で七五三の話を書くことにして、けれども原稿用紙六枚書いてもまだ、当日の朝ごはんが終わらない。メニューとその匂い、湯気のようす、パンの焼き加減の好みに関する主張で六枚目が終わってしまった。今までのぶんを捨てて書き直すべきか、という意味のことを、彼女は言う。読ませて頂戴と言うと、ずいぶんとはずかしがってから、結局読ませてくれた。 八枚切りのパンを焦げるぎりぎりのところまで熱してからバターを塗り、しみこませてべる、ジャムはパンに塗るべきではない、ヨーグルトにいっぱい入れたほうがいい、

    作文が終わらない - 傘をひらいて、空を
    scrt8sh
    scrt8sh 2010/06/01
    すてきだ
  • 機械としてあつかって - 傘をひらいて、空を

    コンビニエンスストアに入ったら、おばあさんがレジの人に話しかけていた。何時までこうしてお勤めになるのかしら。こんなに遅くまでねえ。感心なことねえ。 私たちはおばあさんの隣のレジで買い物を済ませて外に出た。さっきの店員さん、困ってたねえ、と彼は言った。そうだねえと私はこたえた。彼はしばらく歩いてから言う。 なぜ困るかって考えると、定型の反応ではいられないからなんだけど、もっと推しすすめて考えると、コンビニで働いてるときは「レジを打つ機械」みたいにあつかってほしい、ということなんだろうと思う。職業を遂行しているときって、だいたいそういうものなんじゃないかな。俺も仕事中は「所定の書式を埋める機械」としてあつかってほしい。そりゃあ、昼休みには個人的な話もするし、ときどき仕事仲間と飲みにも行くけど、でも業務中はなんというか、機能としてあつかわれたほうが、楽なんだよ。メールを打つ肉のかたまり、電話をす

    機械としてあつかって - 傘をひらいて、空を
    scrt8sh
    scrt8sh 2010/04/27
    でもさ、携帯電話で話されながらレジに来られるとイラッとするし「どうも」って言ってもらえると嬉しいよ。それ私機械失格だなあ。
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