「報告書は、当時の人事部長宛てに出されたもので、複写用紙で書かれていて、複写の2枚目なんです。これが見つかったからこそ、労災申請に至ったんですが……」 この報告書(写し)は、息子の自室を整理する中で、本棚の中に挟んであるのをたまたま発見したのだという。 「これまで事実を知りたいということで、会社と交渉してきました。しかし、この原本は、会社にあるはずなのにいまだに出てきていません」 家族が疑問視するのはAさんの「吃音」や「いじめ」がなぜ研修で話題にのぼったのかだ。 父親を含め家族は「生まれて22年付き合っていて、吃音なんて、一切思ったことがなかった」という。「妻も娘も幼少時からピアノをやっていて、絶対音感があるので、絶対わかる」「いじめも聞いたことがない」と父親は断言する。 父親によると、Aさんは文学部出身だったが、空手の有段者。筋トレが趣味で、自室にはバーベルやプロテインが置いてあった。