そろそろ記憶も怪しくなってきたので、集合denについて書き留めておこう。 集合denは、東京教育大学のデザインの教授だった勝井三雄さんが、講談社が科学大辞典を編纂する際、学生たちを集めて大塚伝通院(新選組がはじめに集まった場所だ)の裏手の一軒家で作業を始めたのが母体になっている。印鑑は「傳」、ロゴは赤い正方形が二つと長方形が二つ、等しい隙間を置いて並んだデンマークの国章だった。 ぼくは芸大を出て美術家として生きていくつもりで、かといって美術家としてのしあがろうという意欲もさしてなく、フロムAで見つけた小さなデザイン事務所でバイトして生活していた。 あのころは雑誌の時代だった。そんなころに雑誌デザインをするとき、教科書(憧れ、あるいは模倣の対象)は、GORO、写楽、流行通信のK2デザインと、マガジンハウスの集合denのデザインだった。 そんななか、たまたま飲みで知り合った集合denにいるB.
![集合den。|田代睦三](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a321b9e0f6678467dfce00157a9551bfc2bb563f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fd2l930y2yx77uc.cloudfront.net%2Fproduction%2Fsocial_images%2F07adb420f56428bea4c1a9429d364f2a2efba1cf.png)