トミオ・オカムラ(日本名は岡村富夫) Photo: Martin Divisek / Bloomberg / Getty Images チェコでは東京生まれの外国人が、ナショナリズムの「顔」にまで登りつめた──。日韓にルーツを持ち、自らも差別に苦しんだトミオ・オカムラはなぜ反移民・反イスラムを扇動するのか。 難民もムスリムも少ない国で「排除」の訴え トミオ・オカムラ。この人物のルーツは多文化的なものである。父親は日本人と韓国人のハーフで、母親はチェコ人だ。 この事実が、オカムラ率いる政党の政策を説明するのに役立つかもしれないし、役に立たないかもしれない。いずれにせよこの政党、「自由と直接民主主義(SPD)」は、移民政策に断固として反対し、欧州連合(EU)からの脱退を主張し、イスラム教を「ヒトラー型ナチズム」と同等だとみなしている。 SPDの主張は反響を呼び、2017年10月の選挙でも得票を