東アジア戦後史の研究者、袁克勤(えんこくきん)元北海道教育大教授(65)が、実母の葬儀に参列するため中国に一時帰国した際、当局に拘束されて、5月末で丸2年が過ぎた。袁元教授はスパイ罪で起訴されたが、潔白を主張している。近年、同様に中国で拘束される日本在住の研究者が相次いでいる。【鈴木英生】 袁元教授の長男で会社員の袁成驥(えんせいき)さん(29)によると、拘束されたのは2019年5月29日。長春駅の駐車場で袁元教授の妻の弟が運転する車から降りた時だった。袁元教授と妻は正体不明の男たち4、5人に頭から黒い袋をかぶせられて、別々の車で連れ去られたという。3日後に妻だけが解放された。 袁元教授は4日前の25日に母親の葬儀に参列するため、北海道から中国の大連市に妻と飛んだ。26日に長春市へ列車で移動して28日に葬儀へ参列していた。拘束された日は、列車で長春駅から妻の実家へ向かう予定だった。 妻は、