1983年3月にGONTITIの1st アルバムのレコーディングを行いました。まだ “GONTITI” という名前ではなかったので、「GONTITIの」は正しくないのですが。 その数ヶ月前、渡辺プロダクションの関西支社で働く佐脇章太くんから「福岡さん、これ聴いてみてください」と渡されたのは、彼らのデモ音源が入ったカセットテープ。ラベルには “ゴンザレス三上&チチ松村” と書いてありました。 アコースティックギター2本による演奏は、どこか南の島の木陰にそよぐ風を思わせるような、とても心地よいものでした。サウンドとして聴き心地よいだけではなく、メロディもよく、どの曲にも好感が持てました。 ただ、それをレコード化できるとは全く思いませんでした。ジャズならともかく、自分が仕事をしているポップスというか「流行りモノ」の世界では、歌もない、ギターだけのインストゥルメンタルなど市場に出せるとは思えなかっ