「1票の格差」が最大5.00倍だった10年7月の参院選が違憲だとして全国の有権者が選挙無効を求めた17件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は17日、定数配分規定を違憲状態と判断した。是正のための合理的期間は過ぎていないとして、選挙無効を求めた有権者側の上告は棄却した。最高裁が参院選を違憲状態と判断するのは、最大格差が6.59倍だった92年選挙に対する大法廷判決(96年)以来2度目。 参院選について最高裁は、92年選挙の後に行われた5回の選挙では、5倍前後の格差を合憲と判断してきた。だが、格差が最大4.86倍だった07年参院選を巡る大法廷判決(09年)は合憲としつつ、「選挙制度の仕組み自体の見直しが必要」と抜本的な制度改革を国会に迫った。今回の訴訟では高裁判決17件のうち3件が違憲、9件が違憲状態としており、大法廷の判断が注目されていた。
長崎市は27日、江戸時代に海外との交易窓口だった「出島」をイメージした扇形の原付きバイクご当地ナンバープレートを、来年2月から交付すると発表した。 応募作から、東京都の永田泰佑さん(25)のデザインを選んだ。田上富久市長は「出島は知名度が高く、シンプルですぐに長崎をイメージできる」と、自信たっぷり。 「坂のまち」長崎市は、人口1000人当たりの原付きバイク台数が約123台と、全国有数の多さ。観光活性化を狙う市は「走る広告塔に」と期待する。【樋口岳大】
(左)衛星「しずく」が観測した8月18日現在の北極海の氷の分布。白い部分が氷で、中央の丸い点は観測できない部分(右)米国の衛星が観測した昨年8月15日現在の北極の氷の分布=いずれもJAXA提供 毎年夏に解けて小さくなる北極海の氷の面積が、今年は観測史上最速のペースで縮小していることが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星「しずく」による観測で20日分かった。例年、8月には縮小の勢いが弱まるが、今年はその様子が見られず、このまま縮小が続けば、面積が最小だった07年の約425万平方キロを下回る可能性があるという。 しずくはJAXAが今年5月に打ち上げた、地球規模の水循環を観測する衛星。データでは、氷が水と混ざって解けやすくなる領域が、例年より1カ月早い7月に現れ、氷の面積は8月18日現在、約466万平方キロまで縮小した。07年より10日早いペースで、データのある78年以降最速という。 北極海
超党派の国会議員でつくる「活字文化議員連盟」(会長・山岡賢次元国家公安委員長)の総会が20日、国会内で開かれ、消費増税に伴い特定品目の税率を低くする「軽減税率」を新聞・出版物に適用するよう求める声明を採択した。 総会には国会議員のほか、新聞協会長の秋山耿太郎朝日新聞社長ら新聞、出版関係者も出席。山岡氏は「新聞や出版物等の知的産業に消費税をかけるべきではない。このことは、かなりの人が共通認識として持っていると思う」と述べた。 秋山氏は「アメリカや韓国も含め経済協力開発機構(OECD)加盟国のほとんどで知識への課税はゼロか最低率というのが共通認識だ」と強調。毎日新聞の朝比奈豊社長は「イギリス政府は民主主義を守るため知識課税はしないと言っている。国家の10〜30年先を考え、今の段階から制度設計の議論をお願いしたい」と求めた。 声明は「欧州各国では食料品とともに新聞や書籍の税率をゼロとしたり、標準
京都府舞鶴市が今月、子供3人を抱えて生活が困窮している同市の女性(33)からの生活保護申請を窓口で拒否したことが19日、分かった。市民団体から通報を受けた府が「申請権の侵害」と同市を指導した結果、受理された。同市は「対応に問題はなかった」としている。 労働・貧困問題に取り組む市民団体「京都POSSE」が記者会見し、明らかにした。 同団体によると、女性は昨年離婚し、5〜11歳の子供3人と暮らす。別の男性との間の子供を妊娠中だが、その男性とは連絡が取れないという。今年2月に失業し、収入は児童扶養手当など月額約8万円。家賃や光熱費を滞納し、冷蔵庫も洗濯機もないという。 所持金が600円になった今月11日、生活保護申請のため同市役所西支所を訪れたが、取り合ってもらえなかったという。女性は同団体に相談し、翌12日午前、再び同支所で申請書類の交付を求めた。しかし、担当職員は「胎児の父親の連絡先が必要」
金環日食で地面の影が濃淡二重に見える珍しい現象を、滋賀県米原市の小中学生13人が、21日の観測会で見つけていた。 同県の共同観測実行委がこのほど発表した。参加した小中高8校約650人の感想文を集計すると、13人が「影が二重に見えた」と回答。石川、兵庫、京都でも同様の報告があるという。 「太陽のリングの両端から出た光の角度の差が原因らしい」と同委。「空ばかり見上げていた大人にはとても気付かない」と、下も見ていた子どもの柔軟な視点に舌を巻いた。【松井圀夫】
需給緩和量を確実には見込めない対策として、契約電力500キロワット以上の大口需要家から節電分の電力を関電が買い取る「ネガワット入札」による需要抑制▽東京電力、中部電力、中国電力、北陸電力の4電力会社からの追加融通162万キロワット▽卸電力取引所を通じた調達9万〜18万キロワット▽好天による太陽光の出力増8万キロワット▽水量増加による水力発電の出力増22万キロワットなども盛り込んだ。これらを合計すると、供給力不足が約300万キロワット改善する計算になるが、関電の岩根茂樹副社長は「単純に計算できるものではない」としており、実現のハードルが高い。 ◇「通報制度」など大阪府市独自策 一方、大阪府市エネルギー戦略会議は15日、独自の節電策を提示した。照明が明るすぎるオフィスや店舗を住民が見つけて通報し、中小事業者に節電を促す「節電通報窓口」の設置や、真夏の午後に役所を閉めて節電するなど、家庭や事業者
小説家の伏見つかささん(31)の公式ブログに「『黒猫』の死体を叩(たた)き付けてやりたい」などと書いた電子メールを送信したとして、警視庁麹町署は12日、徳島県阿南市富岡町、無職、青井昇容疑者(32)を脅迫容疑で逮捕した。容疑を認めているという。 麹町署によると、青井容疑者は伏見さんの作品「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のファンで、「黒猫」は同作品の登場人物の一人。「『黒猫』ばかりが目立つストーリー展開に腹が立った」などと供述している。 逮捕容疑は昨年11月16日午後8時ごろ、自宅のパソコンから脅迫メールを送信したなどとしている。昨年11月以降、同じ趣旨のメールを500回以上送り続けていたとみられる。 出版するアスキー・メディアワークスによると「俺の妹〜」は累計370万部を発行。同社の担当者は「何度もメールが送られ被害届を出した。容疑者が逮捕され、まずは安心している」とコメントした。【小
AIJ投資顧問の年金消失問題を受け、政府・民主党は16日、厚生年金基金の公的年金部分の積み立て不足について、厚生年金加入者全体の保険料で補填(ほてん)する検討に入った。同社に委託している同基金は一つを除き、中小の同業者らでつくる「総合型」。加入企業の連鎖倒産が懸念され、救済措置が必要と判断した。前提として基金側の自助努力を求めるほか、救済対象範囲を慎重に検討する意向だが、当該基金とは無関係のサラリーマンらの反発は必至で、導入が難航することも予想される。 厚年基金は国が運営する厚生年金の一部も国に代わって運用、給付している。加入者は厚生年金保険料の一部も厚年基金に納める。基金はその保険料も含めて運用する仕組みで、好景気のころは国より高い年金を支払うことができた。それが株価低迷、超低金利時代を迎え、厚生年金の給付に必要な資金さえ確保できない「代行割れ」の基金が続出。そこで大企業などは代行部分を
経済協力開発機構(OECD)は、学校教育での留年について「コストがかかるうえ教育成果の引き上げでも効果的ではない」として、廃止を求める教育政策の提言をまとめた。OECDは国際学力テスト「学習到達度調査」(PISA)を実施するなど、教育界に大きな影響力がある。大阪市の橋下徹市長は学力不足の小中学生に対する留年の検討を始めたが、留年の教育効果に批判的な提言が今後の論議に影響を与える可能性もある。 OECDがまとめたのは「教育の公平性と質-恵まれない生徒や学校に対する支援」と題する報告書。落ちこぼれを防ぎ経済成長や社会の発展につなげる教育政策を提言した。 留年の分析では、少なくとも1年留年した経験のある15歳の比率と初等中等教育への総支出に占める留年コストについて原則07年のデータを基に39カ国を比較。OECD平均は留年経験者が13%、コストが4・05%。フランスなど7カ国は留年経験者が30%を
日本の電機メーカーが苦戦している。パナソニックが、12年3月期で過去最悪の7800億円の赤字を計上する見通しを発表したほか、シャープも2900億円、ソニーは2200億円などと軒並み赤字決算を予想している。 各社に共通するのは、テレビ事業の不振だ。かつての稼ぎ頭が、韓国メーカーなどとの競争で失速する中、新たな収益事業を生み出す独創性が求められている。 テレビ事業の不振は深刻で、会社全体では黒字を予想している東芝もテレビ事業は赤字を予想する。日立製作所は1月に、テレビの自社生産から撤退することを決めた。 テレビの販売は、国内外で大きく落ち込んでいる。 国内では、昨年の地上デジタル放送への完全移行に伴う買い替えや「家電エコポイント」による需要増の反動が大きい。昨年10~12月の販売額は前年同期の2割程度にまで激減した。 海外市場も欧州債務危機の影響を受け、低迷した。特に欧米では、韓国メーカーとの
福島県南相馬市立総合病院の坪倉正治医師らが行った高校生以上の市民の内部被ばく線量調査の結果、検出限界以下となった人が昨年9~12月の3カ月間で約1.6倍に増えていたことが分かった。また、大半が国の規制値の年間1ミリシーベルトを下回っていた。被ばく線量は時間の経過と共に低下する傾向がみられ、原発事故後の食事や空気、水などによる慢性的な内部被ばくがそれほど大きくない実態が浮かび上がった。 調査は昨年7月11日から、南相馬市民や、一部伊達市民など計約1万人を対象に、内部被ばくを測定する「ホールボディーカウンター」を使って原発事故で放出された放射性物質セシウム137の被ばく線量を測定。このうち、昨年9月26日~12月27日までに測定した高校生以上の南相馬市民4745人分の詳細な解析をまとめた。 その結果、内部被ばく線量が測定器の検出限界(1人あたり約250ベクレル=ベクレルは放射線を出す能力の強さ
【パリ宮川裕章】フランスで昨年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数)が2.01となり、人口維持の目安となる「2」を4年連続で上回った。経済危機の中、「プチベビーブーム」が人々に明るい話題を提供している。仏専門家は「フランスにおける育児と仕事の両立のしやすさ、手厚い出産奨励策などが低出生率に悩む日本など他の先進国との違い」と説明している。 仏国立統計経済研究所の17日の発表によると、昨年の出生率2.01は、70年代以降で最高水準を記録した10年の2.03を下回ったものの、欧州連合(EU)加盟27カ国中ではアイルランドの2.07に次ぎ2位。日本の1.39(10年)などを大きく上回る。29歳以下の女性では出産の減少傾向が続くが、30~40代で大幅に増える「高齢多産化」が特徴だ。 仏出生率は64年の2.91以降、低下傾向が続き、94年に1.66を記録した後、上昇に転じた。仏国立人口研
神戸市も舞台となるNHK大河ドラマ「平清盛」を「画面が汚い」と酷評した兵庫県の井戸敏三知事は23日の記者会見で、「特に瀬戸内海に船が浮かんでいる場面で、真っ青な海の色が出てこないようでは瀬戸内海と言えるのか、という話になりかねない。瀬戸内海の自然をきちっと映し出してほしい」と新たな注文を出した。井戸知事の「清盛」に関する発言は3度目。 井戸知事の発言を巡っては、今月18日に番組のチーフプロデューサーらNHK側が演出方法を変更しない方針を表明。これに対し、井戸知事は「今の段階で変えると言えば(NHK側の)全面敗北になるので変えないのだろう」と指摘。「世論が(画面を)『どうかな』と言うようになれば見直さざるを得なくなるので、そういう動きになることを期待している」と述べた。 神戸市内には21日、「清盛」をテーマにした展示施設がオープン。「平清盛の出自や成長過程を大胆に脚本化し、ドラマ化しているの
今夏の電力需給について「全国で約1割の不足に陥る」と公表した昨夏の政府試算について「供給不足にはならない」という別の未公表のシナリオが政府内に存在したことが、分かった。公表した試算は、再生可能エネルギーをほとんど計上しないなど実態を無視した部分が目立つ。現在、原発は54基中49基が停止し、残りの5基も定期検査が控えているため、再稼働がなければ原発ゼロで夏を迎える。関係者からは「供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性を強調している」と批判の声が上がっている。 ◇再生エネ除外、「不足」のみ公表 公表された試算は、東京電力福島第1原発事故を受け、エネルギー戦略を見直している政府のエネルギー・環境会議が昨年7月にまとめた。過去最高の猛暑だった10年夏の需要と全原発停止という想定で、需要ピーク時に9.2%の供給不足になると試算した。 この試算とは別に、菅直人首相(当時)が昨年6月下旬、国家戦略室に置
上島町教委が昨年10月に保管庫として利用していた教員住宅(同町弓削引野、木造平屋建て)を解体した際に、室内を調査せずに保管されていた須恵器などの土器片100点以上の廃棄を命じていたことがわかった。土器片は、廃棄前に解体業者の通報で町内の市民団体が保管していた。町教委によると、土器片は1975年に町内で出土したもので、調査記録が未作成で台帳もなく製作時期など詳細は不明。町教委は「ずさんな管理で処分したことを反省している」と釈明している。 町教委によると、住宅は、町内で収集された古民具が保管されていたが、土器片の存在は把握してなかったという。昨年9月、業者に老朽化を理由に近くの住宅と一緒に解体を指示。その際、職員は住宅を視察したが、中に保管されていた大量の民具の山を目視しただけで、内容は確認していなかった。 業者からの連絡で、同町に残る製塩遺跡の調査を支援している住民団体「弓削塩文化を伝える会
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