「ハヤカワ文庫の百合SFフェア」開催を記念して、SFマガジン2019年2月号百合特集からコラム企画を抜粋公開いたします。今回公開するのは映画ライター将来の終わりさんによるインディーズ邦画の百合紹介です。 -----以下本文----- 死ぬかと思った。『リズと青い鳥』を見ていたさなかのことである。 学校という舞台、徹底したディテールのもと展開される青春のきらめきと苦み、ひとつの行き違いで破裂してしまいそうな少女たちの心理、感情、関係性。ギリギリまで張られた弦を常時見せつけられているような感覚の中、最後の一瞬まで心動かされ続ける凄まじい作品だった。 昨今漫画やドラマ、小説と媒体を問わず多数の素晴らしい「百合」作品が話題にあがるようになってきたが、そのなかでのひとつの到達点ともいえるようなものが、アニメーション映画から出てきたことは嬉しくもあり、また恐ろしくもある。 休日はだいたい映画館にいる。