1500円で食い放題の焼肉屋が出来た。 ノーマネー人間だった私にそんな吉報が届いたのはある夏の日であった。 その焼肉屋はかなりの郊外にあり、車でなければ行くことは不可能。 しかし、来たる日曜、諸先輩方から誘いを受けると言う奇跡が起こる。 断る理由など何もない。目の前にニンジンをぶら下げられた私は最早ゲートが開いた瞬間のエイシンワシントン。 待ち合わせは日曜の8:00だと言う。 何でそんなに早いのか・・・と言う疑問を残しつつも、次の奨学金の振込み日を確認して、その日までを過ごした。 当日、清々しい程の晴天に恵まれた。私は消費税分も考慮し、財布の中身は余計な買い物をせぬよう2000円だけ持参。 車二台での移動は、道中でくだらない話に華を咲かせる。 私はその土地には何も明るくないため、揺られるだけ揺られる。 初めての土地は車窓だけでも随分楽しめるモノだ。 坂を登る方に向けてウインカーが発動。 「