意外に思われるかもしれませんが、業務上必要なものを労働者に負担させること自体は、それが「労働契約の内容になっている」限り、原則として法律違反にはなりません。そして、その「労働契約の内容になっている」と言えるためには、「雇入れ時に負担に関する事項を明示していること」と「就業規則にもその負担事項を記載していること」の2点が必要です。一つずつ見ていきましょう。 まず、使用者(お店の側)が労働者を雇入れる際、重要な労働条件となる一定の事項について明示することが義務づけられています(労働基準法15条)。その一定の事項の中に「労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項」が挙げられています(労働基準法施行規則5条1項6号)。この時点で、少なくとも業務で必要なものを労働者に負担させることが、必ずしも法律違反にならないことはお分かりいただけるかと思います。 ところで、この雇入れ時の労働条件明示に