ぼくが初めて映画を見て泣いたのは小学6年生のちょうど今ごろでした。 当時、好きだった女の子と中学校が別々になることを知り、ぼくはとても落ち込んでいました。登場する女子高生が、ぼくの好きだった子と似ていたから同一視してしまったのでしょう。映画館ではなくて、テレビで観ました。 題名は『さびしんぼう』 あるカメラ好きの男子高校生(ヒロキ)が女子高を覗いていたら、音楽室でショパンの「別れの曲」を弾く女子高生をみつけ恋をしました。 ヒロキは母親から強制的に「別れの曲」を練習させられていたので、女子高生が弾いている曲が「別れの曲」であることに気づきます。男子高校生はこの女子高生を「さびしんぼう」と名付けました。 年末、ヒロキは自宅の大掃除を母親からいいつけられます。友だちにも手伝ってもらい掃除をするのですが、その時にたくさんの写真を落としてしまいます。 その日から男子高校生の前だけに「なんだかへんて子