アパート・マンション融資の“闇”(3) 神奈川県内在住の会社員、Aさん(50)が最初にスルガ銀行の融資を受けて不動産を購入したのは2015年4月だった。縁のない新潟市内に建つ、4階建て築27年の中古アパート1棟を、3億円で購入した。自分で3000万円を工面し、残る2億7000万円をスルガ銀行東京支店で融資を受けた。金利は4.5%、30年返済だった。 物件は賃貸している全20室が満室だという。紹介してきた仲介業者が手書きの収支見込みを見せ、「毎月20万円が手元に残ります」と説明した。いま考えると、大規模修繕の費用など収支を綿密に考える必要があった。だが、現地を見ないまま押し切られて決めてしまった。 契約を終えて2週間後、仲介業者から「リフォーム代がかかる」と言われ、600万円の無担保ローンをスルガ銀行から借りさせられた。金利は7%。自分の預金口座に銀行から振り込まれた600万円は、右から左へ