ファン付きウエアはライダー用としては不向きだった 建築業界をはじめとするワークシーンで定番となっている涼感アイテムと言えば、「ファン付きウエア」でしょう。電動ファンによって衣服内に空気の流れを作り、汗を積極的に気化させて涼を得るというもので、現在の市場規模は200億円とも言われています。 ファン付きウエアが誕生したのはおよそ20年前のこと。2007年には空調服専業メーカー・空調服とホンダがコラボし、電動ファン付きのライディングジャケットが発売されました。これは当時としては画期的だったのですが、残念ながらライダーの間に根付くことはなく、数シーズンでディスコンとなってしまいました。 ファン付きウエアは衣服内に空気の流れを作るという特性上、その空気が漏れないように通気性の少ない生地が使われます。つまり、真夏は着ているだけで蒸れが生じる上、走行中は正面から受ける風を遮断してしまいます。 ライダーに