たまたまだが、昨日ノーベル物理学賞の発表があって、機構物理学者の真鍋淑郎氏が受賞されたが、本書にも重なる部分がある。 実はこの本の前に『真説 日本左翼史』という佐藤優さんと池上彰さんの対談本があって、その中で触れていて興味が湧いた。それはつまり「資本論」という共通項によるものだ。斎藤幸平氏の著書を紹介したい。 冒頭のリードがすごい。「SDGsは大衆のアヘンである」とか、「私達は毎週、クレジットカード1枚分のプラスチックを食べている」とか、炭素税を否定するなど、あらゆる社会構造を否定する。全否定だ。この毒々しさは、まさにグレタ・トゥーンベリさんの活動を遠回しに支援しているようにも感じさせる。(本書でもトゥーンベリさんのことは触れられている。) 第一章 気候変動と帝国的生活様式 大加速時代。日本を含む二酸化炭素最大排出量上位5カ国で世界の60%の二酸化炭素を排出している、という事例を皮切りに”