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ファビオ・ビオンディ 四季の検索結果1 - 8 件 / 8件

  • 【楽譜出版の歴史】音符がオタマジャクシになったわけ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第7番~第9番 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

    はじめは原始的な木版刷りから ヴィヴァルディのコンチェルト集『調和の霊感』は、アムステルダムの出版社エティエンヌ・ロジェ社発行の印刷楽譜によって、全ヨーロッパに普及しました。 当時はレコードなどありませんから、音楽の伝播は楽譜に頼るしかありませんでした。 筆写では限界がありますから、当然、印刷が必要となります。 これから、楽譜印刷、出版の歴史をたどってみましょう。 中世、楽譜印刷のはじめは木版から始まりましたが、これは非常に手間がかかり、また多数部を刷ると版木が耐えられません。 手で書き写すのとどちらが手間か?というレベルでした。 音符の形は四角だったり菱形だったりしますが、それは音符の祖先、中世初期にできたネウマ符からきています。 木版楽譜の版木(15世紀末のものの複製) 木版の印刷物(前出の版木から) 活版印刷で作られた楽譜とは 1445年頃、グーテンベルクが活版印刷術を発明すると、ほ

      【楽譜出版の歴史】音符がオタマジャクシになったわけ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第7番~第9番 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
    • 豊穣なヨーロッパの秋。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第3番『秋』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

      イタリア・トスカーナの世界遺産『オルチャ渓谷(ヴァル・ドルチャ)』の秋 うれしい収穫の秋! ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、今回は第3番『秋』を聴きます。 秋をテーマにしたクラシック音楽では、ハイドンの『四季』も、ベートーヴェンの『田園』も、収穫を祝う農民の秋祭りを楽しく描いています。 中世で発展したヨーロッパの三圃制では、地力を養生して収穫量を保つため、畑を三つに分割して、「冬畑」「夏畑」「休耕地」の順にローテーションしていました。 「冬畑」には、小麦やライ麦を秋に種蒔きし、越冬させて初夏に収穫します。 これは日常食べるパンや年貢になります。 「夏畑」には、大麦やカラス麦を春に播き、秋に収穫します。 また夏畑では同時に豆類も栽培され、これはタンパク質補充と、地力回復の両方に役立ちました。 こうした農民たちの長年にわたる工夫、努力による生産性向上が

        豊穣なヨーロッパの秋。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第3番『秋』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
      • 心優しき名ヴァイオリニストありき。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より第7番『ピゼンデル氏のために』, 第8番&第9番 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

        ヴィヴァルディの弟子ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755) ピゼンデル氏って誰? 今回は、ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』のうち、『四季』を除いた短調の3曲を聴きます。 第7番ニ短調には『ピゼンデル氏のために』というタイトルがついています。 ピゼンデル氏とは、ヴィヴァルディの弟子で、ドイツ人ヴァイオリ二ストのヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755)のことです。 彼はニュルンベルク近郊の生まれで、9歳でアンスバッハ侯爵の宮廷礼拝堂の少年聖歌隊員となり、音楽のキャリアをはじめました。 声変わりを迎えてからは宮廷楽団のヴァイオリニストになりますが、22歳のときに音楽修行の旅に出ます。 ワイマールではバッハと出会い、ライプツィヒではテレマンと意気投合しました。 同地では、テレマンが創設したアマチュア市民楽団「コレギウム・ムジークム」に加わりました。 「コ

          心優しき名ヴァイオリニストありき。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より第7番『ピゼンデル氏のために』, 第8番&第9番 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
        • 作曲当時から大人気だった、クラシックの代表作。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第1番『春』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

          ボッティチェリ『プリマヴェーラ(春)』 クラシック音楽の代表選手 ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』を聴いてきました。順番は逆になりましたが、今回から冒頭の4曲を取り上げます。 この4曲は独立して協奏曲集『四季』として親しまれています。 言うまでもなく、クラシック音楽、ことにバロック音楽の代表選手です。 クラシック音楽と言えば?とアンケートをしたら、『運命』と『四季』の1位争いとなることでしょう。 そのきっかけは、これも言うまでもなく、1952年に結成されたイ・ムジチ合奏団によるレコード録音の大ヒットです。 特に、四季の移り変わりを愛でる国民性の日本人のハートを鷲づかみにし、クラシックのレコードとしてはミリオンセラーの金字塔を打ち立てています。 私も40数年前にもなろうという幼少の頃、父の友人からたくさんもらったレコードの中に『四季』があり、楽しく聴いていましたが、どう

            作曲当時から大人気だった、クラシックの代表作。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第1番『春』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
          • ルネサンスを花開かせたメディチ家の末路。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第10番~第12番 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

            『調和の霊感 作品3』初版の表紙 「献呈出版」とは 『調和の霊感 作品3』の最終回です。 前回取り上げたように、この12曲のコンチェルト集は、1711年にアムステルダムのE.ロジェ社から出版されました。 当時は出版にあたって、その曲を特定の王侯貴族に捧げる「献呈」という形をとり、印刷譜にはその冒頭にうやうやしい献辞を掲げることが多くありました。 作曲者は書いた曲に箔がつき、出版物のいい宣伝になりますし、献呈される方も、芸術の保護者としての名望が高まり、その権威を他国に見せつけることができるため、ウィンウィンの取り引きでした。 献呈された側は、作曲家に対し、なにがしかの返礼を送る慣習です。 それはお金であったり、記念品であったりしましたが、時代が下がると、財政的に手元不如意な王侯貴族も多くなり、ベートーヴェンなどは見返りが少ないと怒って、献呈を取り消したりしています。 献呈されるほうも、お金

              ルネサンスを花開かせたメディチ家の末路。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第10番~第12番 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
            • 冬来たりなば春遠からじ。あったかい家の中で過ごす、冬の幸せ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第4番『冬』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

              ヴィヴァルディの頃の冬は寒かった 今回は、ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、最後の第4番『冬』を聴きます。 関東は桜が満開ですが、きょうはいきなり雪が降り、季節が一気に冬に逆戻りしました。 ここに月が出たら〝雪月花〟という、白楽天が歌った最高に風流な景観が現出するのですが、さすがにそんな奇跡の三拍子は揃いそうにありません。 もちろん、実現したとしても、とても風雅な気分にはなれない状況ですが。 現代では、地球温暖化が人類の危機として叫ばれていますが、ヨーロッパの気候が温暖化に転じたのはベートーヴェンが亡くなった頃で、それまでは、中世の終わり頃から「小氷期」と言われるほど寒い時代が続いていました。 逆に中世は、初期から大半が温暖期だったのです。 ヴァイキングが今は氷の島になっているグリーンランドに入植したり、あり余る豊かなパワーがヨーロッパ内で行き場をな

                冬来たりなば春遠からじ。あったかい家の中で過ごす、冬の幸せ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第4番『冬』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
              • 嵐のようなヴァイオリン。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より『海の嵐』『喜び』『狩』ほか - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

                ヴィヴァルディ『和声と創意への試み 作品8』初版の表紙 続々と出版されるヴィヴァルディの曲集! 1711年、アムステルダムのE.ロジェ社の上質な印刷とプロモーションにより、『調和の霊感 作品3』でヨーロッパ出版界を席巻したヴィヴァルディは、同社から次々にコンチェルト集を出版していきます。 翌年の1712年から1713年にかけて、さっそく第2弾として協奏曲集『ラ・ストラヴァガンツァ 作品4』を出版します。 実はこの曲は、2年半ほど前、このブログを始めて一番最初に取り上げた曲なのです。最初は曲の解説はほとんどせず、ただただ、古楽器演奏のエキサイティングな響きをひとりでも多くの人に知っていただきたい、と思って取り上げました。 昔の記事では第1番しか掲げていませんが、ビオンディのヴィヴァルディのインパクトを伝えたい!というのがこのブログを始めた動機のひとつだったのです。 www.classic-s

                  嵐のようなヴァイオリン。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より『海の嵐』『喜び』『狩』ほか - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
                • 音楽で描かれた夏の災い。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第2番 ト短調『夏』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~

                  ヴィヴァルディが描いた、つらい季節 ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、今回は第2番『夏』を聴きます。 夏といえば、輝く太陽のもと、海、山でのレジャー、バカンスと、我々はいいイメージを持っていますが、この曲ではひたすら憂鬱な季節として描かれています。 うだるような暑さが続くと思えば、突如嵐が吹きすさぶ、つらい季節です。 確かに、クーラーも扇風機もない時代のことを考えれば、地獄かもしれません。 昔の日本でも、兼好法師が『徒然草』で次のように書いているのを思い出します。 『家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き頃悪き住居は、堪へ難き事なり。』 家は、夏を考えて作れ、冬の寒さはどうとでもなる、暑い住まいは耐えがたい…。 温暖化が進む現代、風の通らないアパートやマンションで、熱中症で命を落とすお年寄りが毎年増えていることを考えると、

                    音楽で描かれた夏の災い。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第2番 ト短調『夏』 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~
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